精米歩合について

玄米から糠(ぬか)を削り取る工程についてスポットを当てて解説します。

※ 清酒製造においては「米を削る」ではなく「米を磨く」という表現を使い、本ページ内では「磨く」という表現で統一させていただきます。

 

米の磨き具合については

 精米歩合(せいまいぶあい) : 精米歩合は製造に使う米の芯の部分

 精白度(せいはくど) : 精白度は製造に使用しない削りカス(ぬか)の部分

という表現を使い、精米歩合+精白度=100%になります

 

例えば、ラベルに精米歩合70%とあれば、それは精白度30%も意味しており
「玄米の外側30%を”ぬか”として廃棄し、内側の70%を原料として使っている。」
と、このように読み取ることができます。

 


 

低ければ低いほど高品質という印象のある精米歩合
磨いた米と磨いていない米で風味はどのように違ってくるのか?

それは米の成分が関係してきます。

米の中心はデンプンが多く含まれているのに対し、外側へ行けば行くほど脂質やたんぱく質が多く含まれています。

米の脂質・たんぱく質イメージイメージとしてはこんな感じです
白いところが”デンプン”
黄色いところが”脂質やたんぱく質”が多く含まれているところとして見てください。

ちなみに食用の一般米と酒造好適米の違いについて
酒造好適米はサイズが大きく、食感としてはモチモチ感のないさらっとしたあっさり系の米です。
また、米の中心に心白(しんぱく)と呼ばれる部分も大きくできています。
心白はコウジカビが菌糸を伸ばしやすい”隙間”を多く持つ構造になっていて、しっかりと糖化ができるため、酒造りに適しています。

普段食べるときには脂質やたんぱく質は旨みとして重宝され、清酒造りにも旨みや苦味の”味わい”として重要な要素です。
しかし、多すぎると雑味として感じやすく酒本来の香りをかき消してしまい、かえって邪魔な存在になってしまいます。

食用よりも多く磨き、脂質やたんぱく質を極力減らした米で造る酒は、
雑味が少なくスッキリとした風味となり、清酒本来の香りを存分に楽しめる洗練された酒として広まりました。

それと同時に、たくさん磨いた米は高価な酒となりました。
磨くほど価格が上昇する理由についてはこちらで紹介しております。

たくさん磨いた米から造るお酒と、適度に磨いた米から造るお酒
価格の違いばかり目立ってしまいますが、
それぞれの良さ・楽しみ方を探すのも清酒の面白さのひとつですね。

精米歩合の違いから見る風味の違いは下の表の通りとなります。

精米歩合 イメージ 補足
精米歩合100%
(精白度0%)
米の脂質・たんぱく質イメージ 磨いていない米。玄米。
左図では胚芽は都合上省略します。
磨きが少ない米は風味が強く、ワインでいうフルボディのような、
どっしりとした酒になりやすい。
 精米歩合90%
(精白度10%)
米の脂質・たんぱく質イメージ 食用として一般的な白米。
健康志向な方は
5分づき(精米歩合95%)や
7分づき(精米歩合93%)等にして食べるそうですね。
 精米歩合80%
(精白度20%)
米の脂質・たんぱく質イメージ 一番コメントが難しい歩合。
食用としては削り過ぎているし、
良い酒を造るには磨き足りない半端な米。
 精米歩合70%
(精白度30%)
米の脂質・たんぱく質イメージ このあたりまで磨いていくと程よくスッキリとした味わいになり、軽快な飲み口になってきます。
これ以上磨いたものは特定名称酒としてのランク付けも意識した酒造りとなってきます。
 精米歩合60%
(精白度40%)
米の脂質・たんぱく質イメージ かなり磨いた米。果物のような華やかな香りが目立ってくるのもこのあたりから。
特定名称酒では純米吟醸酒、吟醸酒などがこの歩合まで磨きこんでいます。
 精米歩合50%
(精白度50%)
米の脂質・たんぱく質イメージ 玄米の状態から半分しか製造に使用しないというとても贅沢なお酒。
これ以上磨いても風味にさほど大差はなく、製造が難しくなるだけなので、他社との差別化を狙う蔵元以外はだいたい50%以上の米で酒造りしています。
特定名称酒では純米大吟醸酒、大吟醸酒などがこの歩合まで磨きこんでいます。

磨いていない米ほど しっかりとした・深い味わい、米の香り、重い、鈍重、くどい
一方、磨いた米ほど すっきり、華やかな香り、軽い、薄い
といった単語が目立ってきます。
表現にプラスの要素とマイナスの要素を併記しておりますが、
これはそれぞれのクセや特徴が合う・会わないの味覚の感じ方が人により違うのであえて載せました。
仮に1本飲んでみて、「これは”くどい”な」と思ったら、もう少し精米歩合の低い酒を飲んでみると自分に合った酒に出会いやすくなると思います。

 

精米した際のヌカ(製造に使わない部分)について
これらは“産業廃棄物”として捨てるのではなく、精米歩合の表記が必要ない普通酒へと転用して使う他、米粉などの”副産物”として形を変え、煎餅や餅へと利用されています。しかしながら、良い品質の清酒製造を行うにあたっては不要の部分であることには代わりありませんので便宜上「廃棄」という表現を使用しています。精米歩合の低いお酒は米を削る量が多いため、”食べられるものを捨てている”と捕らえて購入を控える方もいらっしゃいますが、再利用先もありますのでどうぞ安心してお買い求め下さい。

“精米歩合について” への5件の返信

  1. 匿名

    わかりやすいです
    と、なると、、50%を超える獺祭の3割9分や2割3分は高価格になるだけであまり意味がないってことですかね?

    返信
    • denemon 投稿作成者

      ご質問ありがとうございます。

      精米歩合23%の意味につきまして、残念ながら当社で製造しておりません。
      そのため、該当商品の製造意図とは違う回答となるおそれがございますので、その点ご承知おきください。

      当社の杜氏に問い合わせたところ、
      「精米歩合50%と40%では違いがまだ判るが、それ以上の磨きは風味の変化自体は少なくなるだろう」と予想しております。

      ここから先はサイト管理者である私の意見となりますが、
      ・米を23%まで磨くことのできる精米技術(米が割れてしまうと品質低下)
      ・精米歩合23%でも安定的に生産供給できる技術(磨き過ぎは酵母にも良い環境とは言えない)
      この2点を”会社の、ひいては商品のウリ”と捉えておりますので、
      その技術力の高さを、精米歩合という具体的な数字で表現されているのではないかと推察いたします。

      実際に製造したことのない事柄に対しての回答となりますので曖昧な表現が多くなり申し訳ございませんが、上記をもって回答とさせていただきます。

      返信

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