酵母について

酵母

(本サイト内の酵母は全て清酒用酵母のことを意味します)
清酒製造に使われる微生物の一つに酵母が使われます。

 

アルコールを生成するには酵母の活動が不可欠ですが、酵母の主な特徴は以下の3つ

・主食はブドウ糖(でもデンプンを糖に分解できない)

・酸素があるほうが良いが、無くてもなんとかやっていける

・空気中に漂っている他の雑菌よりも酸性の環境に強い

清酒造りにおいて酵母は段階によって活動内容に変化が生じます。

 

酒母~段仕込にかけての酵母の活動

酵母は好気性菌で酸素のあるときは活発に増殖します。

コウジカビの糖化酵素がデンプンを分解して生成されたブドウ糖と空気中の酸素を利用してエネルギーを得て、二酸化炭素と水を生成して増殖します。

酒母造りで乳酸を投入して容器内を酸性にしますが、酵母は酸性に強く、対して雑菌は酸で死滅するため、酒母内では酸に強い酵母だけが増殖できる環境となります。

 

醪になってからの酵母の活動

タンク水面は空気に触れていますが、ほとんどがタンクの中で酸素と切り離された状態になります。酵母は酸素がなくなると(嫌気条件下)、酸素を必要としないエネルギーの摂取方法へと変更します。ブドウ糖を利用して二酸化炭素とエタノール(=アルコール)を生成するのですが、この現象が醗酵であり、酒造りの核となるわけです。

 

搗精の段階で精米歩合が低い(たくさん削ってある)米で醗酵させた場合

酵母の主食はブドウ糖と上に説明しましたが、実は醗酵にはビタミン等の栄養素も必要とします。本来は米にも微量ながら含まれているのですが、そのほとんどが玄米の外皮近くに含まれており、精米歩合の低い米で造られた醪は酵母にとって活動に適しているとは言えません。
醗酵も終盤にさしかかると、精米歩合の低い米で造られた醪は、栄養素が少なくてうまく醗酵(=エネルギーの摂取)ができずにジリ貧生活になります。酵母は死活問題の為、頑張って解決策をひり出してできたものが「エステル」と呼ばれる化合物です。
酵母はエステルができた時のエネルギーを利用して急しのぎを続けます。酵母が死活問題になってから作られたこのエステルは、人間にとっては「吟醸香」として寵愛の対象となり付加価値がつきます。

 

余談ですが、醗酵には二酸化炭素が発生します。醗酵中にシュワシュワ・プチプチと小さな音を立てながら発生する気泡がそれです。
タンクの内側は二酸化炭素で充満していて、何かの拍子で人がタンクに落ちると酸欠・窒息しますので、すぐに逃げ出すことができなければ動けなくなり溺死します。

現代でも櫂入れ作業中に命を落とす事故が数年に一度発生しています。

当社は櫂入れ体験などは実施しておりませんが、自社・他社問わず醗酵タンクに近づくことがある際はお気をつけください。

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